電話番号0745-71-2200お問い合わせ
耐震診断 – 耐震診断・耐震補強設計 – 株式会社伸構造事務所

耐震診断・耐震補強設計

耐震診断とは、既存建物の構造的な強度を確認し、想定される大規模な地震に対しての安全性や被害の程度を調べることです。

1981年の建築基準法の改正で、【旧耐震】と呼ばれる従来の基準から【新耐震】と呼ばれる新しい基準へと変更になりました。旧耐震基準で設計された建物は、震度6強から7以上の大地震の直撃を受けると倒壊してしまう恐れがあると考えられています。1995年の阪神・淡路大震災では、新耐震基準を満たした建物の損傷は少なかったとされ、反対に2016年の熊本地震では、旧耐震基準で建てられた古い木造住宅などは大きな被害を受けたと言われています。

体育館や学校などの公共建築物や、不特定多数の人が利用する施設(病院や店舗など)への耐震診断が義務付けられて以降、たくさんの施設で耐震診断の実施が進んでいる一方、戸建て住宅やマンションなどの一般家庭レベル、また民間のビルなどではまだまだ済んでいないところが多くあります。

S音波調査
S音波調査

私たち(株)伸構造事務所は、規模や構造を問わず、様々な建物の耐震診断・耐震補強(改修)に携わってまいりました。その経験を活かし、今後も建物の安全性に不安を持たれる方へご協力していきたいと思います。

耐震診断に関するご相談、お問い合わせは上記電話番号、またはメールにて承っております。

耐震診断の方法は、建物の構造によって調査する箇所・診断方法は変わってきます。ここからは各構造でどのような調査をし、診断を行っているのかを写真を交えてご紹介していきます。

調査日が限定され短時間の調査が必要な場合や、通常の調査を行うのが難しい建物などは、【3Dスキャナー】を使用して調査することも出来ます。

鉄骨構造(接合部調査)

【共通調査項目】

  • 建物の形状の調査
  • 建物の形状、主要耐震要素(柱間隔、階高、壁開口部の位置など)が設計図書と違っていないかを確認します。

  • 不同沈下調査
  • 建物基礎の健全性を確認するため、外周部分や床のレベルを調査します。

【鉄骨造調査項目】

  • 接合部の調査
  • 柱・梁を目視、もしくは超音波探傷検査を行い、接合状況を確認します。接合部に欠陥があると破壊することが想定されます。(写真①、②、③、④)

    重要となるのは、設計図書に記載されている通りに接合されているかどうかです。過去の案件では、設計図書が開先溶接(フルペネ)であるにも関わらず、隅肉溶接となっているなど、大きな相違点がありました。

    また接合部の欠陥も多く(写真⑤)、日の字柱の施工不良もよく見受けられます。

  • 錆の調査
  • 鉄骨に発生した錆を目視にて調査し、その量を記録、建物の劣化度を調べます。錆が多ければ、補修を提案します。

  • 柱脚の調査
  • ベースプレートやアンカーボルトなどが正確に施工されているかを確認します。

場合によっては基礎・基礎梁の確認も必要となることもあります。基礎が杭基礎の場合は基礎底、杭径の調査まで必要となってきます。

① 柱頭部分の溶接状況の調査風景
① 柱頭部分の溶接状況の調査風景
② 柱脚ベースプレート板厚さの測定風景
② 柱脚ベースプレート板厚さの測定風景
③ 柱現場接合部分溶接状況調査風景
③ 柱現場接合部分溶接状況調査風景
④ 大梁端部・柱との溶接状況調査風景
④ 大梁端部・柱との溶接状況調査風景
⑤ 柱・大梁接合部分、現場ジョイント部分調査状況(ウェブボルト1本が抜けている)
⑤ 柱・大梁接合部分、現場ジョイント部分調査状況(ウェブボルト1本が抜けている)
⑥ 大梁部材(梁成)寸法調査風景
⑥ 大梁部材(梁成)寸法調査風景
⑦ 大梁部材(フランジ幅)寸法調査風景
⑦ 大梁部材(フランジ幅)寸法調査風景
⑧ 柱梁接合部(パネル板厚)測定風景
⑧ 柱梁接合部(パネル板厚)測定風景
⑨ 大梁成測定風景
⑨ 大梁成測定風景
⑩ 組み立てトラス梁成寸法測定風景
⑩ 組み立てトラス梁成寸法測定風景

RC構造(コンクリート強度調査、ひび割れ調査、不同沈下調査)

【共通調査項目】

  • 建物の形状の調査
  • 建物の形状、主要耐震要素(柱間隔、階高、壁開口部の位置など)が設計図書と違っていないかを確認します。

  • 不同沈下調査(写真⑨)
  • 建物基礎の健全性を確認するため、外周部分や床のレベルを調査します。

【RC造調査項目】

  • コンクリート強度の確認
  • 構造躯体からコンクリートを抜き取り、圧縮試験を行い設計図書通りのコンクリートかどうか、その強度を確認します。その際、抜き取ったコンクリートの試験体を用いて、中性化試験を行い、経年劣化を確認します。(写真①、②)

    また、シュミットハンマーという機械を利用し、簡易的にコンクリート強度を調べることもあります(写真③)

  • ひび割れ目視調査
  • コンクリートの外壁を目視で調査し、ひび割れの量やその太さを記録します。ひび割れが多ければその分診断時の減点が多くなります。(写真④、⑤)

  • ブロック壁の配筋調査
  • (写真⑥、⑦)

調査完了後、調査図面を作成し相違点を明確にします。

① 柱の中の鉄筋位置をRCレ-ザで調査
① 柱の中の鉄筋位置をRCレ-ザで調査
② 柱部材からコンクリート強度調査のためのコアーの抜き取り
② 柱部材からコンクリート強度調査のためのコアーの抜き取り
③ コンクリート強度調査の簡易版としてシュミットハンマー試験風景
③ コンクリート強度調査の簡易版としてシュミットハンマー試験風景
④ 目視調査によるひび割れ調査
④ 目視調査によるひび割れ調査
⑤ クラックゲージを当ててクラック幅を写真に収める
⑤ クラックゲージを当ててクラック幅を写真に収める
⑥ 柱部材の鉄筋位置をマスキングテープで位置を明確化し、鉄筋間隔を測定
⑥ 柱部材の鉄筋位置をマスキングテープで位置を明確化し、鉄筋間隔を測定
⑦ 柱部材の鉄筋位置をマスキングテープで位置を明確し鉄筋間隔を測定し写真撮影
⑦ 柱部材の鉄筋位置をマスキングテープで位置を明確し鉄筋間隔を測定し写真撮影
⑧ 耐震壁の配筋調査(鉄筋間隔)風景
⑧ 耐震壁の配筋調査(鉄筋間隔)風景
⑨ 建物外周部分のレベル測定(不同沈下測定)
⑨ 建物外周部分のレベル測定(不同沈下測定)

木造

【共通調査項目】

  • 建物の形状の調査
  • 建物の形状、主要耐震要素(柱間隔、階高、壁開口部の位置など)が設計図書と違っていないかを確認します。

  • 不同沈下調査
  • 建物基礎の健全性を確認するため、外周部分や床のレベルを調査します。

【木造調査項目】

  • 室内・外部の調査
  • 雨漏り跡や床の軋み、壁の下地、タイルの割れなどを目視で調査したり、柱の傾斜角を測定したりします。また、外壁のひび割れや基礎のコンクリートなど、家の外部も調査します。(写真①・②・③・④・⑤)

  • 床下の調査
  • 点検口などから床下を覗き込み調査します。内部の乾燥状態や塚材・束石の確認、根がらみ部材や床下部材の防腐処理の状況を目視で確認します。(写真⑥)

  • 天井裏の調査
  • 床下同様、天井裏も点検口などからその状況を調査します。金物や火打ち材、羽子板ボルト、柱梁接合部などの確認や、筋交いの有無、断熱材を確認します。(写真⑦・⑧・⑨・⑩・⑪・⑫)

① 柱傾斜測定
① 柱傾斜測定
② 壁下地釘長さの測定
② 壁下地釘長さの測定
③ 土壁のチリ寸法測定
③ 土壁のチリ寸法測定
④ 外壁のひび割れ
④ 外壁のひび割れ
⑤ 基礎コンクリート鉄筋探査の様子
⑤ 基礎コンクリート鉄筋探査の様子
⑥ コンクリート強度の確認
⑥ コンクリート強度の確認
⑦ 土台の腐朽確認
⑦ 土台の腐朽確認
⑧ 小屋組全景
⑧ 小屋組全景
⑨ 屋根勾配の測定
⑨ 屋根勾配の測定
⑩ 火打ち材の確認
⑩ 火打ち材の確認
⑪ 筋かい断面の測定
⑪ 筋かい断面の測定
⑫ 柱断面の測定
⑫ 柱断面の測定

耐震補強(改修)設計

耐震診断を行った結果、耐震性能が低く倒壊の危険があると判断された建物について、どのように補強をするかを検討することを耐震補強と言います。耐震補強・耐震改修設計は、建物の劣化度、使い方や見栄え、工事の費用、期間など、様々な要因を加味しながら検討します。

PCアウトフレーム補強
PCアウトフレーム補強
SRF(柱補強)
SRF(柱補強)
ピタコラム
ピタコラム
ブレース(接着工法)
ブレース(接着工法)

12条5項の報告

既存建物を増改築する際や、建物の用途変更を計画する際、必ず必要となるものが既存建物設計時の検査済証です。これは建物が建築基準法に適合していることを証明する文書です。この検査済証を取っていない場合、まずは既存建物を調査し、基準法に適合していることを証明しなければなりません。それが【12条5項の報告】です。

調査の結果、建物に問題がないことがわかれば、12条5項の報告を行い、増改築・用途変更へと進むことが出来ます。しかし、調査で問題があると判断された場合には、是正工事(耐震診断や耐震補強工事など)が必要となる場合があります。


PAGE TOP ▲